「保護猫ってどうやって遊べばいいの?普通の猫と違うの?」
「年齢や性格によっておもちゃの選び方って変えるべき?」
「遊びを通じて保護猫と仲良くなるにはどうしたらいい?」
保護猫だからって普通とは違うの?そもそも普通の猫もどうやって遊ぶ?
年齢や性格によって異なる保護猫の遊び方、おすすめのおもちゃ、接し方のコツ、NG行動、そして実際の筆者の体験談まで初心者でも今日から実践できる知恵をお伝えします。
1.はじめに:保護猫との遊びの重要性
「猫って一日中寝てるイメージ…」
「保護猫は人慣れしにくいから遊びは無理?」
たしかに寝ている子だからネコという名前となったという由来もありますが、実はどちらも間違いです!
猫は本来、狩猟者として進化してきた動物。遊びは単なる「暇つぶし」ではなく、本能・運動・ストレスケアなど健康そのものに直結する重要な要素です。
特に保護猫は生い立ちや性格が多様で、人に対する警戒心が強かったり、環境適応に苦労する子も多いからこそ、「遊びによるコミュニケーション」が信頼築きのカギとなります。
2.年齢別の遊び方とおもちゃの選び方
2-1. 子猫期(〜6ヶ月)
子猫期は探究心とエネルギーの塊。生後2ヶ月くらいから兄弟や母猫とのじゃれあいに加え、一人遊びもスタートし、おうちでも縦横無尽に暴れ回ります。
遊びは「社会性」と「狩猟本能」の両方を養う重要な機会。
好奇心が旺盛なこの時期は、動くものなら何でもおもちゃに感じやすく、追いかける・噛む・隠れるなど本能的な遊びを繰り返します。

どんなところも隙あらば入り込む。。。
おすすめおもちゃの特徴・ポイント:
- 噛みやすくて安全な素材(割れにくく舐めても安心なものを選ぼう)
- 音や動きで好奇心を誘う(カサカサ音、鈴入りボールなど)
- 子猫の小さな口でも加えやすい大きさ(5cm以上推奨、誤飲防止!)
- 「じゃらし」や「ボール」「ぬいぐるみ」「トンネル」で狩りごっこ
- 知育おもちゃやフードトイも◎(遊び+知的刺激+食欲コントロールを両立)
例えば、「カシャカシャぶんぶん」や「転がる知育ボール」「けりぐるみ」「釣り竿タイプ」がおすすめ。飼い主と一緒に遊ぶことで、子猫は咬み加減や社会的ルールも学習します。飽きやすい時期でもあるため、複数のおもちゃをローテーションするのも有効です。
遊ぶ時間は1回5〜10分、1日2回程度が目安。まだ体力がないため長時間の無理強いは避け、水分補給と休憩をしっかり取りましょう。

注意点:安価なビニールや小さなパーツつきは誤飲の危険が。遊び終わったらきちんとしまう習慣をつけ、「人の手や足」とは絶対に直接遊ばせないのが鉄則。これを怠ると成猫になってからの咬み癖やトラブルにつながります。
2-2. 成猫期(6ヶ月〜7歳)
一人前の「ハンター」へと成長する成猫期。体力・筋力はピークを迎え、知能も発達。「獲物を追いかけたい」「捕まえたい」という本能が強くなる時期なので、リアルな狩り遊びを意識しましょう。人間の生活の中では狩猟機会がない分、遊びでそれを発散させるのがストレス解消・運動不足防止・肥満防止に絶大な効果を発揮します。

おすすめおもちゃと遊び方:
- リアルな動き・狩猟本能を刺激する「猫じゃらし」や「羽根つき」おもちゃ
- 鈴入り・音鳴りタイプのボール、転がして遊ぶボールタワー(ひとり遊び用も人気)
- トンネルや段ボールなどの「隠れ家」系――待ち伏せ本能を生かす
- 知育トイ・フードディスペンサー型(食事の早食い防止や飽き防止にも)
- キャットタワー、キャットウォークなど上下運動できる遊具
- LEDライトやレーザーポインターは短時間&最後は「捕まえる」体験で達成感を

活発な猫であれば、1日10〜15分×2回以上の運動遊びが理想的です。動きに変化をつけたり、物陰に隠したり、「獲物」のようにカサコソ動かすことで、猫のやる気スイッチがON!
遊び終わったら必ず「捕まえる」成功体験をさせてあげることが、猫のやる気とストレス軽減につながります。
2-3. シニア期(7歳〜)
「7歳を過ぎたらシニアの仲間入り」とされ、運動量・好奇心・集中力が少しずつ低下し始めます。ただし、遊びや刺激は認知症予防・心身の健康管理にとっても重要。若い頃のように飛んだり跳ねたりする必要はなく、音や匂い・ゆっくりしたおもちゃなど、五感や好奇心をふんわり刺激することがポイントです。
おすすめおもちゃと遊び方:
- 大きめ・ゆっくり動く猫じゃらし(音や匂いつきが◎)
- 触覚・嗅覚を刺激するトンネルおもちゃ、フードが出てくる知育トイ
- 掴みやすいぬいぐるみ・モコモコ素材、本物の羽根など
- 音が鳴るボール、転がすだけで遊べる易しい難易度のもの
- 上下運動やジャンプ系は控えめに。高低差は“ゆるやか”な段差程度

遊びの目安は1回3~5分でもOK。無理に誘わず、猫が気分の乗っている時や空腹時に軽く遊ぶのがおすすめです。「目で追うだけ」でも脳には良い刺激!猫のペースを最大限尊重しましょう。誤飲や事故防止のため、おもちゃは必ず飼い主の目が届く時のみ使用し、遊び終わったら片付けること、これが長生きの秘訣です。
3.性格別の遊び方とアプローチ
3-1. 活発な猫
運動大好き!遊び大好き!好奇心旺盛なタイプは、遊びを怠るとストレスや問題行動(夜の大運動会など)に繋がることも。毎日10〜15分以上の本格的な遊び時間を確保して「狩猟本能」を満たすのが最大のコツです。
アプローチ例:
- ドタバタOKな広めスペース、高低差のあるキャットタワーやトンネルを活用
- レーザーポインターや羽根じゃらしなど“反射的に追いかける”おもちゃが◎
- 動きのバリエーションを工夫(上下左右、物陰からチラ見せ、スピードの緩急など)
- 遊んだ後は必ず「実体のあるおもちゃ」を捕まえさせて達成感を!
人に“遊んで”をアピールする鳴き声や、足元へのスリスリが多いのもこのタイプの特徴。上手に遊べば、家の中でも退屈知らずの“ご機嫌さん”になってくれます。
3-2. おっとりタイプ
マイペースでのんびり、どちらかというと静かな猫。「遊びに誘っても無反応…」で焦ることもありますが、これは決して“遊ぶのが嫌い”ではなく、自分のペースを大事にしたいだけのことが多いです。
アプローチ例:
- まずは静かな環境で猫の気分やペースを観察。「遊びたいタイミング」を見逃さない
- 音や匂い、転がるボールなど五感刺激系のおもちゃがおすすめ(知育トイも◎)
- 飼い主がしっかり見守り、接触は“ゆっくり”“控えめ”に
- 遊ぶ時は短時間でOK。遊びより撫でられる(ブラッシングなど)が好みの子も多い
「おやつ入りおもちゃでゆっくり体を動かす」「トンネルでまったり探検」など、猫のテンポに寄り添って楽しみましょう。
3-3. 警戒心が強い猫
保護猫の約半数は、人間への警戒心や過去のトラウマを抱えていると言われています。このタイプとは「まずはゆっくり馴れる・安心してもらう」ことが最優先。遊びは信頼関係の“糸口”として使います。
アプローチ例:
- はじめは“距離を取る”のが基本。猫が安心できる場所(ケージや隠れ家)で過ごさせる
- じっと見つめたり追いかけたりは絶対NG!少し離れた位置で見守り、「猫が動くのを待つ」
- 遊びには“音や匂い”を優先、ゆっくり動かす猫じゃらしや音のするトンネルなどが◎
- 焦って捕まえようとせず、猫が操作している感覚を大事に
- 少しずつスキンシップのきっかけを増やし、名前を呼んだり、ご飯やおやつを手から与えることで徐々に信頼UP
最初に攻めすぎると、かえって心の壁が高くなるので、“気配だけ共有する時間”もOK。焦らず、「猫が来てくれるまで待つ」がゴールへの最短ルートです。
4.保護猫とのコミュニケーション術
4-1. 距離の取り方と信頼関係の築き方
保護猫の多くは、これまで人との信頼関係を築く経験が乏しく、“人=ちょっと怖い”と感じています。そのため、初対面からいきなり抱っこやスキンシップを求めてはいけません。
信頼のための7つのステップ:
- ①猫のペースを最優先:「こちらからは近づかない。待つ」が基本。
- ②ゆっくりした動作と静かな声:突然の大きな音や動きはトラウマの原因になりやすいため厳禁。
- ③隠れ家・逃げ場を複数用意:高所・段ボール・ドームベッド等、いつでも「自分だけの空間」に隠れられるように。
- ④ゆっくりまばたき(スロー・ブリンク):猫界では「敵意なし」のサイン。
- ⑤においの配慮:飼い主さんが手の甲をそっと差し出して臭いを嗅がせたり、香水やアロマは控えめで。
- ⑥日々のルーティン:決まった時間にご飯やトイレ、おやつタイムで予測可能な生活を与えると安心して自信を持つようになります。
- ⑦目を合わさず“そばにいる”存在に:「何もしないでいる」時間を多く持つことが、一番の信頼構築に。
猫が少しでも飼い主さんに近づいて来たり、こちらをじっと見つめたりしたら大チャンス!焦らずその「一歩」に丁寧に寄り添いましょう。
4-2. 遊びを通じた絆づくり
猫は「遊び」を通して初めて“人=楽しい存在”と学びます。おもちゃで一緒に遊ぶことで社会的ルールや家族としての信頼も同時に育ちます。
- 狩猟本能に訴える遊び:「追いかける」「隠れる」「捕まえる」を再現する猫じゃらし・トンネル・キャットタワー・ボール遊び
- ルーティンで毎日続ける:短時間でも決まったタイミングで必ず遊ぶ習慣を。猫の体内時計は驚くほど正確です。
- “捕まえた!”で終わらせる:満足感や達成感が「遊び好きになります」。
- 遊びながら褒めて、撫でて:名前を呼びながら、うまくできたら声かけ&撫でで“楽しい体験=飼い主さん”と結びつけて。
- 1対1の個別遊び時間:多頭飼いの場合でも必ず個別に向き合う時間を作ると絆が深まります。
「遊ばない猫」もいるかもしれません。でもそんな子も、遊ぶことで「新しい経験」「予測できない楽しい毎日」が待っています。最初は失敗もあるかもしれませんが「今日の一歩」を大事に、気長にお付き合いを。
4-3. 避けるべきNG行動
せっかくの信頼関係を、一発で台無しにしてしまうNG行動も!「知らなかった」では済まされない、“やってはいけない遊び方・接し方”を再確認してください。
- 人の手・足で直接遊ぶ:「手は攻撃対象・獲物」と学ばせてしまうと、噛みグセや本気引っかきのリスク大。
- 誤飲しやすい小物のおもちゃ・紐遊びの放置:遊び終わった後、必ず片付け。誤飲は命に関わります。
- 狭い場所や急な驚かせ・追いかけ:パニックやストレスの原因となり、信頼リセットにつながる
大声や体罰、しつこい接触も絶対NG! - 遊びすぎ・長時間の強制:「楽しい」は「短く濃く」で!無理強いはストレスと信頼崩壊のもと。
- レーザーポインター“だけ”で終わる:達成感が得られず、ストレスや異常行動の温床。必ず「獲物(おやつorおもちゃ)」で終わらせて!
また、叩く・押さえつける・大きな声で怒るなどは信頼形成の大敵。猫が嫌がったらすぐにその場を離れる、嫌がることは「絶対しない」が鉄則です。
5.体験談:にゃタゾノと遊びを通じて築いた信頼
保護猫であるにゃタゾノとは、主は猫飼いも始めてて、どう遊ぶのか全くわかりませんでした。
SNSやブログで調べては「やっぱり楽しくないのかな…」と落ち込んだ日々を思い出します。
しかし、“自然な距離を保ちつつ、猫じゃらしで毎日遊ぶ”ことから、はじめ、じゃらしもどうゆらすのがいいのか、とかきれいな色や明るい色が好む色など、にゃタゾノの好みもわかってくるようになり奇跡的に距離が縮まっていきました。
最初の1週間は、猫に馴れている家族の動きを真似してみて、左右にそっと動かしてはみるものの、なかなか奪いにこないので、諦めてやめてしまうと、狙いを定めていただけで、「もうやめちゃうの?」という感じで、にゃごにゃご言われたりしていました。

お掃除モップにも興味津々
ただ部屋中を探検するのに一緒に付き添うだけでも良かったのではないかと思います。
掃除をすればモップのヘッドにまとわりつくのも遊びになるし、ボールを転がしても遊びになるし、段ボールでトンネルをつくってものぞくだけで遊びになる。

主の料理の指導中のにゃタゾノ
まるで子供時代を思い出して、何もなくても遊んでいたことを思い出します。
- 特別なことは「何もしない」
- 「せかさない」
- 「気長に寄り添う」
このようなことが最大のコツだったと思います。
特別なことをしなくても良い。毎日の朝のご飯タイム、「遊んで」「撫でて」のサインに気づけるようになったとき、うれしいな~と思います。
今では一緒に寝たり、遊んだり、トイレも一緒にいったり――「猫も自分のことを信じてくれてるな~」ということを日々実感しています。
6.まとめ:保護猫の遊び方とおもちゃ選びのポイント
保護猫の遊び方は、年齢・性格・環境慣れ、それぞれによって答えがまったく違って当然。ポイントは、
「猫の本能・好奇心を満たすこと」
「人との信頼関係は遊びを介して少しずつ築くこと」
――この2つです。
- 年齢・体力に合わせておもちゃや“遊びの質”を調整しよう(子猫=遊びで社会性を養う、成猫=狩猟本能を満たす、シニア期=脳刺激&優しい遊び)
- 性格や警戒心が強い子には距離を保つことから、「共に空間を共有すること」こそが遊びの第一歩です
- 必ず猫用おもちゃで遊ぶ。手や足での直接遊びは絶対NG!誤飲防止と事故防止にも細心の注意を
- 日々のルーティンで安心と信頼を築く。1日10~15分を数回、短くてもOK
- 猫じゃらし・ボール・トンネル・知育トイ・おやつ入りフードボールなど、複数をローテーションするのもおすすめ
- 警戒心が強い猫は“待つ勇気”が大事。「信頼形成は急がば回れ」で!
猫との毎日は「今日の一歩」に意味があるもの。焦らず・無理せず・猫のペースで、少しずつ家族の“輪”を作っていけます。大切なのは、あなたも猫も心地よく、楽しく、安心して暮らすこと。
- 保護猫との遊び方はどうすればいいの?
- 保護猫のおもちゃはどんなものがいいだろう?
- どうやって保護猫とコミュニケーションを取る?
いずれも今日から実践できるヒントはたくさんあります。 あなただけの“猫とのストーリー”をゆっくり紡いでいくための参考になれば幸いです。
保護猫たちに、いっぱいの笑顔と素敵な遊び時間を!


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