1.はじめに
保護猫を迎えたとき、多くの飼い主が最初に直面する悩みのひとつが「爪とぎ問題」です。ソファや壁がボロボロになり、「どうすればいいの?」と頭を抱える方も少なくありません。
猫にとって爪とぎは本能的な行動であり、決して「悪い子」だからではありません。
この記事では猫の爪とぎの理由、しつけの方法、そしておすすめグッズ5選までを徹底解説します。猫ビギナーでも安心して取り組めるよう、実践的な知恵を紹介します。

2.保護猫が爪とぎをする3つの理由
猫が爪とぎするのは、
- 本能的行動
- ストレス解消
- 健康維持
- という3つの理由があります。
2-1.本能的な行動
爪とぎは猫の本能です。爪を鋭く保つため、古い角質を落とすため、そして縄張りを示すために行います。人間でいう「爪切り+名刺交換」のようなもの。保護猫も新しい環境で「ここは自分の場所だ」と安心するために爪とぎをします。
爪の形も何もしていないとピンピンに先がとがってシャープですが、爪を切り爪とぎをすることでほのかに丸みを帯びます。人間にとってもうれしいものです。

はがれた爪の抜け殻はこんな形で、爪とぎした付近に落ちています
2-2.ストレス解消
爪とぎはストレス解消の役割も果たします。環境の変化や不安を感じると、爪とぎの頻度が増えることがあります。これは人間が「貧乏ゆすり」をするのと似ています。保護猫にとっては心のバランスを取るための行動なのです。
にゃタゾノは主が起きて「おはよう!」というとがりがり、別の部屋から出て顔を合わせると、がりがり、といったように、顔を合わせるとがりがりするようです。
2-3.運動と伸び
爪とぎは単なる爪のケアだけでなく、体を伸ばすストレッチの役割もあります。壁やソファで爪とぎをするのは「背筋を伸ばすヨガ」のようなもの。猫にとっては健康維持の一環なのです。
3.ソファや壁を守るためのしつけ
かわいい保護猫ちゃんでも、そこらじゅうをがりがりされてはたまりませんね。猫は犬ほどしつけはできない、と思われていますが、こちらの言葉は理解しておりしっかり伝わります。言いつけを守るかどうかは気分次第、ということのようです。
こちらがイヤ!ダメ!ということを伝えるには3つのコツがあります。
3-1.爪とぎ場所を指定する
ソファや家具の爪とぎを防ぐには、爪とぎ専用の場所を用意することが第一歩です。キャットタワーや爪とぎポールをソファの近くに置くと、猫は自然とそちらを使うようになります。人間でいう「代替案を提示する」戦略です。
我が家ではソファが古く買い替えてもいいくらいだったので、ソファはOK。でも、壁紙にがりがりしようとする素振りを見せたら、即効でNG✖で、見つけた瞬間にソファやキャットタワーの爪とぎに誘導しました。
3-2.いいことあるぞ作戦
爪とぎを正しい場所で行ったら、すぐに褒めたりおやつを与えましょう。これが爪とぎのしつけの基本です。猫は「ここで爪とぎすると良いことがある」と学習します。逆に叱るのは逆効果で、ストレスが増えてしまいます。
にゃタゾノも誘導されて爪とぎすると「がりがりしてえらいね~」という声かけでほめてもらえる感覚を掴んだようです。人間は猫の言葉はわからないことが多いけれど、猫は人間の言葉を理解していると思います。
3-3.環境の工夫
ソファや壁を守るには、保護シートやカバーを使うのも有効です。賃貸の壁面であればマスキングテープを貼り、その上に保護シートやカバーを貼るのもよいでしょう。
なるべく壁面は傷つけたくなかったので、壁面に家具を配置し猫がはいりこめないようなレイアウトにするのも方法の1つです。
また、爪とぎ防止スプレーを併用することで、猫が近づきにくくなります。さらに、ソファの近くに爪とぎグッズを置くことで「ここならOK」と誘導できます。
4.おすすめグッズ5選
4-1.縦型爪とぎポール
壁やソファを守るには、縦型の爪とぎポールが効果的です。猫は伸びをしながら爪とぎをするので、背の高いポールは大人気。安定感のあるものを選びましょう。

4-2.段ボール爪とぎ
段ボール素材の爪とぎは安価で交換しやすく、猫の食いつきも抜群です。ソファの近くに置けば、自然とそちらに誘導できます。爪とぎの「消耗品」として常備しておくと安心です。

4-3.爪とぎ付きキャットタワー
運動不足解消と爪とぎを兼ね備えたキャットタワーは、保護猫にとって最高の遊び場。高所を好む猫の習性にも合致し、ストレス解消にもつながります。

大あくび
4-4.ソファ保護カバー
ソファ 爪とぎ対策には、専用の保護カバーが便利です。爪が引っかかりにくい素材を選ぶことで、猫がソファに興味を示さなくなります。見た目もインテリアに馴染むものを選ぶと良いでしょう。

4-5.爪とぎ防止スプレー
爪とぎ防止スプレーは、猫が嫌う香りを利用してソファや壁を守ります。安全性の高い製品を選び、定期的に使用することで効果が持続します。ただし、猫によって好みが分かれるため、試しながら使うのがポイントです。

ローズマリーや柑橘系は猫は苦手です。舐めないようにご注意を。。。
5.体験談:我が家の保護猫と爪とぎ問題
我が家の保護猫も、最初はソファをターゲットにしていました。爪とぎすると「ガリガリ」と音が響き、ソファの布地が悲惨な状態に…。しかし、ソファはOKとし、爪とぎポールで主もがりがりやる素振りをしたり、壁でがりがりしそうになったら、ソファの横へ誘導しそこで一緒にがりがりしたりしました。
そして、がりがりできたら、「すごいね~がりがりできたね~」とほめほめ大作戦です。
この作戦で壁には一切がりがりしていません。そして、キャットタワーは大好きな場所でもあり、そこでがりがりするので、徐々にソファへの攻撃も減りました。
さらに段ボール型を利用したり、キャットタワーの爪とぎを補正したりして「爪とぎタイム=認めてもらえる誉め誉めタイム」となり、猫とのコミュニケーションも深まっているように思います。
6.まとめ
保護猫の爪とぎは本能であり、決して悪い行動ではありません。保護猫にとっても爪とぎの対策をすることは可能と考えています。
そのためには、
正しい場所を用意し、
ポジティブな意味付けでしつけを行い、
ソファや壁を守る工夫を取り入れる
という3段構えの作戦が大切です。
おすすめグッズを活用すれば、猫も人も快適に暮らせます。
爪とぎは「猫の本能+健康+安心のサイン」。
その行動を理解し、工夫することで、保護猫との暮らしはより豊かで楽しいものになっていきますよ。


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